表題番号:2000A-917 日付:2004/01/28
研究課題パラ言語及び非言語的側面から見た日本語学習者のあいづちに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 日本語研究教育センター 専任講師 戸田 貴子
研究成果概要
 本研究は、パラ言語的側面から日本人母語話者と日本語学習者のあいづちに関する言語行動を分析し、コミュニケーション能力を育成する会話シラバスに向けてのフィードバックを行うことを目的としたものである。
 まず、日本人母語話者と日本語学習者の談話をデジタルビデオカメラレコーダーに収録し、DAT録音機で音響分析用データを録音した。データは文字化し、談話分析を行った。談話資料では、話し手が情報提供する「実質的な発話」と、聞き手による「あいづち的な発話」が繰り返されており、情報提供以外の「実質的な発話」については、共同行為要求、情報要求、意思表示が、「あいづち的な発話」には、継続、同意、承認、確認、興味、終了などの注目表示が見られた。さらに、発話の重なりやポーズの挿入位置を確認しつつ音響分析を行い、発話時間とポーズの持続時間の測定、発話速度とあいづちのタイミングの分析を行った。
 日本人母語話者の談話分析ならびに音響分析が終了し、分析結果の発表を行った。また、日本語学習者のデータを分析し、2001年9月にケンブリッジ大学で行われたシンポジウムで報告した。今後は、既に収集したデータを利用して、非言語的側面からの分析を進めていきたい。