表題番号:2000A-892 日付:2010/10/17
研究課題英語力、メディア、身体動作を融合させる効果的なプレゼンテーションに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 保崎 則雄
研究成果概要
 本研究の主たる狙いは、まず、自分のプレゼンテーションの特徴と実態を知り、向上させるという点である。そのため参加学生10人は、筆者が担当する2000年度人間科学部の通年自由科目『上級英語 I』の後期授業の3週目に、まず自分のプレゼンテーションを録音、録画したものを視聴した。その後、メディア利用、非言語コミュニケーション活動、言語使用についての研修を7週間授業で行い、11週目に再度同じトピックでプレゼンテーションを行った。それを録音、録画したものを前回のものと見比べた結果、以下の諸点が確認された。なお、授業はすべて英語で行われ、90分の授業のうち、前半部分は、全体的な英語力を向上させるため、聴解、読み、言語使用、文法などの種々の英語の問題に取り組み、後半部分で、研修を行った。また、各自のプレゼンテーションは、各自のプレゼンテーションが終了後、本人を除く全員で評価表を用いて評価し、参考のため、結果は本人にまとめて通知された。
1) プレゼンテーション研修において、メディア資料の存在が言語活動の負荷を減らすということが明らかになった。
2) 非言語コミュニケーション行動は、訓練の結果、かなりの程度効果的に向上することが確かめられた。
3) プレゼンテーションを録画し、自分で視聴することにより、自分の言動と伝達方法を客観的に評価することができる態度が形成された。
4) プレゼンテーションの音声録音の事後聴取を行う事によって、日本語使用の認識と向上が観察された。
参加者の感想として、録画した自分のプレゼンテーションを事後視聴することにより、自分の特徴、改善すべき点が自分でよくわかった、また、自分ひとりで視聴できたので、安堵感もあった、ということを述べている。
この結果を踏まえ、今年度は、さらに個人の特徴を基にして、ひとりひとりのプレゼンテーション能力の向上を計るために、クリニック形式での研修、身体言語という分野の研修をさらに多く含めていく予定である。また、新しい分析手法として、プレゼンターの眼球運動のデータを取り、調査を進めていく事を行いたいと考える。