表題番号:2000A-843 日付:2002/02/25
研究課題先進国の経済学・社会科学の比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 池尾 愛子
研究成果概要
 平成12年度科学研究費補助金対象となったプロジェクト「先進国の経済学・社会科学および教材メディアの比較研究」について、アンケート調査を実施・出力するなど補足するために、特定課題研究助成費を利用させていただいた。
1.社会科学の中で最も国際化の進んだ経済学においてすら、「欧米の経済学」という括りは適切ではない。先進国における社会科学を比較する際、オーストラリア・ニュージーランドの取り扱いに注意する必要がある。成果の一部は、拙編 Japanese Economics and Economists since 1945 と、書評The Development of Economics in Western Europe since 1945, ed. by A. W. Coatsとして公表。7月にシドニィで開催された「日本の経済改革」をめぐる国際会議の記録は、2001年夏に出版予定。
2.戦後日本における経済学史研究は、社会科学研究の一環として行われてきた側面がある。アンケート調査に基づいて、先進国における「経済学史の将来」を議論する会議用論文 ‘History of Economics in Japan: A Form of Social Science' を作成し、早稲田大学産業経営研究所 Working Paper Series No. 2000-05 として配布。2001年4月26-29日にアメリカ合衆国ノースカロライナ州ダラムにあるデューク大学で開催された Duke-HOPE 会議 'The Future of the History of Economics' において、発表。日本の経済思想史研究には、日本の社会思想や「哲学」、伝統文化に関する研究も含まれ、注目すべき成果をあげている。依頼論文 'History of Japanese Economic Thought' として公表。