表題番号:2000A-813 日付:2004/06/03
研究課題成人女性の基礎的教養に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 助教授 村田 晶子
研究成果概要
 戦後日本は、民主主義社会の形成を教育によって行うとした。そのなかで、戦前、教育の機会に恵まれなかった民衆の女性たちの解放と教育・学習の機会の充実は大きな課題であり、戦後の社会教育は、成人の女性の政治や生活の主体としての力量を高めるための事業を行い、条件を創り出してきた。
 また、近年、国際的な女性解放運動の高揚や成人教育・学習理論の展開の中で、教育の客体から学習の主体への転換を促す教育・学習の方法の問題がクローズアップされてきた。この動向に学びながら、日本の成人女性の差別からの解放と教育・学習の主体としてのあり方を追究していくことが求められている。
 本研究は、以上のような問題意識のもと、成人女性が、学習の主体として、主権者として、どのような内容と方法で基礎的な力量を形成していくことが可能かを探ることを目指した。
 また、国際的には,国連女性の十年以降、北京、ニューヨークと開催された世界女性会議での理論的、運動的側面での発展も見逃せない動向であり、一方、国内においては男女共同参画社会基本法が制定されるなど、女性を取り巻く状況の変化もめまぐるしい。したがって、それらの動向を把握することに努めると共にその問題性の把握も欠かせないと考えた。
 本特定課題採用によって社会教育実践、女性学、ジェンダー、女性問題学習関連の図書の購入、及び、社会教育推進全国協議会の全国集会に参加し、今日の学習者及び社会教育職員が取り組んでいる活動についての知見を広めることができた。
 今後は、これまで進めてきた日本の女性問題学習、社会教育実践の分析をすすめていく予定である。