表題番号:2000A-552 日付:2002/04/19
研究課題マルチメディアシナリオ情報交換のための汎用マルチメディア表現方式に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際情報通信研究センター 助教授 亀山 渉
研究成果概要
マルチメディアシナリオを交換するための汎用記述表現方式としては、開放的で相互運用性を保証し、且つ、国際的に認知された方式が望ましい。この条件に合致するものは、1998年2月にW3C (World Wide Web Consortium) によって勧告されたXML (Extensible Markup Language) が最もふさわしいと考えられる。XMLを利用して、マルチメディアシナリオの汎用記述を行う際には、基本となるフレームワークをDTD (Document Type Definition) あるいはXMLSchemaで定義を行い、様々なマルチメディアに関連する表現記述をXML語彙として、XML Namespaceを利用して表現する方式が一般的である。このようなフレームワークとXML語彙として、W3CではSMIL (Synchronized Multimedia Integration Language) を2001年8月に勧告化した。SMILは、ある意味、全てのマルチメディアシナリオ規定のスーパーセットといえる内容になっており、その応用について各方面で検討がなされている。しかしながら、実用的なアプリケーションを記述するためには、その記述量が膨大になり、また、様々な制作者間での協調作業が重要となる。そこで、分散的なネットワーク環境において、XML記述されたマルチメディアシナリオの効率的な編集作業を支援するためのシステムアーキテクチャを整理し、実装し、そして評価することでその有効性を確認した。具体的には、IETF (Internet Engineering Task Force) によって検討と標準化作業が進められているWebDAV (Web-based Distributed Authoring and Versioning) を拡張し、XMLインスタンス木における各ノード情報を複数の人間で同時に編集できるように権利を管理し、更に、それらの版の更新情報も管理出来るようなシステムの提案を行った。本システムはプロトタイプであるため、現時点では汎用的なDTDの取り込み等には対処できない。今後の課題として、更なる汎用化と様々なXML語彙に対する柔軟性をどのようにシステム的に実現するかを検討しなければならない。