表題番号:2000A-516
日付:2005/03/23
研究課題ガスコンデンセート層における流体挙動に関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学部 | 教授 | 在原 典男 |
(連携研究者) | 大学院理工学研究科 | 修士課程学生 | 本阿弥幸子 |
(連携研究者) | 大学院理工学研究科 | 修士課程学生 | 寺本哲郎 |
- 研究成果概要
- 多成分系シミュレーションモデルによるガスコンデンセート層及び高揮発性油層の挙動予測では,相平衡計算に多大な時間を費やすので,その効率を改善できれば,より多くの成分を扱うことが可能となり,精度のよい挙動予測が期待できる。本研究ではパラメータの削減による反復相平衡計算法を多成分系シミュレーションに適用し,その精度と効率を評価した。
本研究では,圧力計算と相平衡計算が独立した形で行われるIMPECS(Implicit Pressure, Explicit Composition and Saturation)法により,状態方程式(EOS)多成分系モデルを構築した。炭化水素系の相挙動のモデル化として一般的な3次EOSの解法としては,逐次代入反復法及び最小変数ニュートン・ラフソン法が代表的手法である。これらは成分数と同数の変数について反復計算を行うもので,前者は線形的に収束し,後者は2次的に収束する。これに対して,Michelsenの手法は反復計算における補正を3変数により行うもので,特に成分数が多い場合には格段に計算時間を短縮することができる点で画期的なものである。
EOSにより実際の油ガス層流体を記述するには,相互作用パラメータ(Binary Interaction Parameter, BIP)を導入してEOSのチューニングを行うのが一般的であるが,MichelsenはBIPを排除してプラス成分の特性値をマッチングパラメータとしている。本研究では,BIPを一部考慮することでMichelsenの手法を一般化して,5変数ないしそれ以上の数の変数を扱う削減法について,他の手法の計算効率と比較し評価した。