表題番号:2000A-514
日付:2002/04/03
研究課題組織能力と組織デザイン
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 商学部 | 教授 | 藤田 誠 |
- 研究成果概要
今般の特定課題研究においても、これまでの研究を発展させるために、「組織能力と組織デザイン」というテーマを設定し、継続的な研究を行った。
本研究は、経営戦略論におけるResource-Based View(RBV)、Competence-Based View(CBV)などの名称で総称される研究パラダイムの台頭・流布を意識したものである。かかる研究パラダイムは、経営学わけても経営戦略研究の分野では、現在最も支配的なパラダイムのひとつである。それゆえに、「知識マネジメント」、「インタンジブル経営」、「Intellectual Capital」、「Social Capital」など、様々な鍵概念により数多くの研究が行われている。これらの研究は、「企業が保有する経営資源あるいは組織能力、なかでも知識、ノウハウ、スキルなどの無形(インタンジブル)要因が、競争優位性を決定する」という問題意識で共通している。
しかし、こうした問題意識を定量的に実証した研究は、現在までのところあまり数は多くない。また「組織能力の測定」と称する研究でも、それは特定分野(研究開発など)に焦点を合わせている場合が多い。かかる研究状況を生み出している原因のひとつは、組織能力に関する包括的概念フレームワークの欠如にある。とくに、組織論における研究蓄積を軽視あるいは無視しているために、こうした状況から脱していないというのが私見である。
以上のような問題意識にたち、組織能力を組織デザインとの関連から捉えた概念フレームワークを構築することが、目下の研究課題である。これに関しては、未だ未解決な部分も多いが、暫定的な結論としては、①経営資源と組織能力は異なる概念と理解すべきである、②組織能力と組織デザインは、「知識」を結節部分として重複するが、これらもまた異なる概念である、③能力と知識の違いを見極めるには、いわゆる「暗黙知」をどのように定式化するかがポイントである、といった点が挙げられる。
研究の詳細に関しては、以下の成果に発表済みであるので、そちらを参照されたい。