表題番号:2000A-222
日付:2002/02/25
研究課題函数積分方程式の定性的理論とその応用
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 高等学院 | 教諭 | 柳谷 晃 |
- 研究成果概要
- この研究は、人口論または伝染病の数学的モデルから発生する、積分方程式をその定性的性質を中心に研究するものである。特にこの分野における積分方程式は、普通に使われている積分方程式の解の存在定理、一意性の定理が適用できない。その大きな理由は、積分核が、解の積分を含む、functionalになることにある。この困難を解決するためには、今タイプの積分方程式に直接適応できる形の解の存在定理、一意性の定理を新しく作ることしかない。
使用手段としては、普通に解の存在定理に使われる、Shauderの不動点定理、Banachの縮小写像定理を使うのであるが、この定理に帰着するまでの、方程式の変形が、非常に大切な段階となる。
さらに、解の定性的性質として重要な、一意性が保証されないときの、解の構造すなわちKneser型の定理を証明すことに成功している。今までの積分方程式の理論で、適応できない場合を扱うのであるから、モデルとしての重要性とともに新しいタイプの積分方程式の理論を作って行くことにもなるわけである。この立場から、モデルを含む型のより一般的な積分方程式を考え、その新たな積分方程式に対する理論としての、解の存在定理、一意性の定理、さらに、Kneser型の定理を証明することにも成功している。
研究結果は国際学会および、国内の函数方程式の学会において発表している。