表題番号:2000A-199 日付:2002/02/25
研究課題健康的ライフスタイルの獲得と定着の個人差を生む要因
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 中村 好男
研究成果概要
 本研究では,近年注目を集めている「ウォーキング」を題材として,1)どのような人が参入し,2)どのような人が効果を獲得し,3)どのような人がその効果を維持(定着)させるのか,という問題を,健康・運動・体力に関する意識の個人差から検討した.172名の大学周辺住民が2ヶ月間の介入プログラムに参加し,その前後に,日常生活活動度調査ならびに質問紙調査を受けた.また,介入終了4ヶ月後あるいは1年後に追跡調査を実施した.比較対象のために,同地区居住住民の中から500名を無作為に抽出し,プログラム参加者と同様の質問紙調査を実施した.プログラム参入者の特徴として「自由時間が多い」・「健康への意識が高い」・「定期的運動実践者」などの項目が抽出された.平均値でみると,介入によって日歩数が向上しそのまま維持された.ただし,その程度には個人差があり,活動的ライフスタイルの獲得・維持のための要因として,「運動・スポーツという健康戦略」という要因が抽出されたが,同時に「漠然とした参加意識」・「健康づくりのきっかけという参加意識」を持つものについては,その効果が得られ難いかあるいは長続きしないということが示唆された.
[キーワード]:日常生活活動量,ウォーキング,健康戦略,個人差