表題番号:2000A-198 日付:2003/04/10
研究課題中東地域における都市の歴史人口学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 店田 廣文
研究成果概要
 本研究では、19世紀以降の中東地域の都市近代化の過程における変容を、エジプトを対象とする人口センサスのマクロデータを利用して、社会変動との関連で研究することを目的とした。

 研究計画では、まずエジプトの人口センサスを対象とした長期的かつ総合的なデータセットの作成を意図していた。1882年~1917年までの人口センサスについては、一橋大学経済研究所のCOE「アジア長期経済統計データベースプロジェクト」と協力して、すべての項目について、カイロの行政区別を含めてエジプト全国について、データ入力を完成した。

1927年~1947年のデータ入力は、1927年の教育統計データと1937年の産業統計データについて、前述のプロジェクトのもとで、入力が完了した。また、カイロ市については、1950年代から1970年代にかけて行政区別の歴史的データについても、データセットとして編集する予定であったが、これは未完成である。これら後者の部分については、2001年度以降に追加して、入力作業を行う。

 一方で、研究計画にはなかったが、中東地域全体の都市化動向の枠組みに即して、エジプト都市の変動を分析するために、中東地域全体の近年の都市化について、データの整理と分析をおこなった。

 前述のような補足的な入力作業を終えた後に、エジプト全国、カイロ市、および中東地域のデータセットを利用して、19世紀以降の都市変容と社会変動の、基本的な統計分析に関する論文発表を本年度内に予定している。なお、このうち一部については、2001年6月の日本人口学会にて、発表した。