表題番号:2000A-196 日付:2002/02/25
研究課題高齢者及び高齢者に関わる人間の特性及び感情測定と評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 鈴木 晶夫
研究成果概要
 本研究では、コミュニケーションの中の「言葉かけ」に的を絞り、自己評価が「言葉かけ」の仕方にどのように影響するのかを検討することを目的とした。対象は、看護系専門学校生、大学生及び大学院生の計231名(男性60名,女性171名)。調査項目として、社会的スキル尺度(思いやり尺度)、自尊感情尺度を用いた。場面を設定し、どのような言葉かけするかを具体的に自由記述させた。場面は、(a)落ち込み、(b)接触 、(c)爪伸び、(d)こぼす、(e)表情笑みの5場面。各々相手が友人、父親・母親、祖父母の場合の3種類について記述を求めた。
 結果として、特に、(c)爪伸び、(d)こぼす、の2場面についてまとめる。
(c)爪伸び: 状態の描写、伸びていることへの疑問、爪切りを勧める、語り手が切るという意志を示す、本人自らが切る、切ることを強要する、何も言わない。
(d)こぼす: 心配、「こぼれた」「落ちた」という指摘、「こぼした」「落とした」という注意、非難・責任追求、何か拭くものについて言及したものを渡す、言葉をかける側の人間が自分で拭く、茶化す、ごまかす呼び掛け、何も言わない、などであった。
 全体として、祖父母に向けての言葉かけは、何かをしてあげるという気持を含んだものが多かった。父親・母親に対する話しかけの言葉の記述は少なく、特に言葉をかけずに様々な非言語的な行動を取ることが推測できる。