表題番号:2000A-135
日付:2002/02/25
研究課題実験計画法の工程解析への応用
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | 理工学部 | 教授 | 永田 靖 |
- 研究成果概要
- 次の4つの内容に取り組んだ。
(1)工程能力指数のロバスト推定
将来の「安定した母集団分布」を想定して、それとは異質の母集団分布からのデータが混在している状況を設定し、得られるデータに基づいて「安定した母集団分布」に基づく工程能力指数の推定の研究を行った。通常の最尤法に基づく推定方法が異質な母集団分布からのデータにより大きく影響を受けることを示し、次にそのようなデータからの影響が小さいロバストな推定方法を提案し,その数学的性質および定量的な数値評価を行った。
(2)回帰分析における寄与率の推定
回帰分析における寄与率の点推定の方法を研究した。モデルを確定した下で寄与率を精度よく推定するための研究は従来から行われていたが、本研究では、モデル選択を行う過程を定式化し、その下で寄与率を推定する問題を研究した。自由度調整済寄与率の精度が比較的良好であるという結果を得た。
現在、既存の推定方法の比較検討の段階に留まっているが、今後、新たな推定量の提案と区間推定の問題、さらには、回帰分析を拡張したモデルに対しても取り組んでいきたい。
(3)統計的多重比較法に関する研究
ダネットの方法およびそれを拡張した方法について研究した。今後、具体的な解析を行うための数値表などを整備する予定である。また、ダンカンの多重比較法についても検討した。
(4)学部学生・大学院生向けのテキストの作成
学部学生や大学院学生がこの分野の研究に入って行くにあたって、効率的にその内容を学べるようなテキストを作成した。これらには、筆者が研究している内容も取り入れている。