表題番号:2000A-113 日付:2002/02/25
研究課題主体性の成立
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 桜井 洋
研究成果概要
 2000年度は「主体性の成立」というテーマの下、自己組織性を始めとする複雑系の概念を社会学に導入する基礎的研究を行った。複雑性の概念は統計力学を中心として形成され、生命システムの理解においても中心的な役割を果たしつつある。本研究はこの考え方を社会的コミュニケーションに応用しようとするものである。複雑性の概念は元来自然科学の概念であるから、社会科学に導入することにはいくつかの困難が伴う。2000年度はこの問題をクリアする作業に取り組んだ。その結果、コミュニケーション概念を複雑性の観点から解釈する方法が得られた。この基礎の下に、「意識と秩序」と題する包括的な研究を、今後2年をメドに完成する予定である。その内容は、社会的秩序を理解し記述する準拠点を自己あるいはシステムから相互作用あるいはコミュニケーションに変更し、自己組織化臨界を社会秩序の状態として見出していくことである。