表題番号:2000A-101 日付:2002/02/25
研究課題大学生の就業動機 ―概念整理と測定尺度の作成―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育学部 助手 安達 智子
研究成果概要
 報告者はこれまで未入職者が将来の職業に対してもつ意識や態度について、就業動機概念を用いて検討を試みてきた。同概念は自己向上志向、対人志向、上位志向の3側面より構成される。自己向上志向は、自分にとって価値ある課題を成し遂げて仕事による自己成長を志す傾向、対人志向は、作業そのものよりも人との接触を重要視する傾向、上位志向は、他者との競争に打ち勝って社会的地位や名声を手に入れようとする傾向である。2000年度は、同概念の特性や有用性についてさらに詳しく吟味するために、進路発達のプロセスにおける就業動機概念の位置づけについて検討を行った。その結果、米国の社会・文化的背景において確立された進路発達のプロセスモデルは、わが国の大学生に対して概ね適用可能であること、また、同モデルにおいて就業動機概念が中心的な役割を担うことが示された。ここで得られた知見を未入職者の進路決定・未決定問題に対する援助や介入で役立てるためにも、さらなる測定尺度やモデルの精錬、また様々な背景をもつ対象者についての調査が必要と考えられる。