表題番号:2000A-097 日付:2002/02/25
研究課題文化史的にみた俳諧史とその受容―歳時・風俗・言語・教科書―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育学部 教授 堀切 實
研究成果概要
 近世俳諧史を文化史的立場から綜合的に検証しようとする本課題の成果は、なお今後に引きつがれるが、とりあえず、本年度中の成果を列記する。
①歳時については、昨年度より継続中の仕事しての『俳諧歳時記栞草』(岩波文庫)の歳時、風俗史を執筆するために、助成費が大いに役立った。
②近世中期における美濃派の俳論と心学教導との関係、および支考俳論と盤珪禅学との関係を中心とした思想史・言語史的検証は目下論文を作成中であり、秋の学会での発表も予定している。
なお、その成果の一部は、2001年2~3月、岐阜市歴史資料館で開催中の「芭蕉と支考展」での講演(3月4日)と、図録解説に利用された。
③教科書に関しては、『おくのほそ道』の文化史的背景の研究に着手しており、引き続き、来年度は教育総合研究所のプロジェクトにも参加して、研究を進めてゆきたい。その基礎的、資料的準備は、本年度の課題として、すでに達成している。
④ここ数年来とりくんできた俳論史・俳文史の研究を補充するという課題においては、『学術研究』(教育学部刊、50号)に、近世俳論史年表稿・補遺―付俳文史年表稿補遺」と題して論文を発表した。