表題番号:2000A-066 日付:2002/02/25
研究課題共分散構造分析の応用的研究を促すための文献目録と展望の作成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 教授 豊田 秀樹
研究成果概要
 1990年代以降、わが国の調査・実験研究の解析方法に共分散構造分析が頻繁に使用されている。
 研究代表者は、平成9・10年には奨励研究(A)「文科系学部学生に対する共分散構造モデルの教授法の研究」を行ない、より数学的準備の少ない学部学生に対する効果的な教授系列を作成した。その成果は『共分散構造分析〔入門編〕(朝倉書店、1998、単著)』『共分散構造分析〔事例編〕(北大路書房、1998、単編)』によって公開された。
 平成11・12年度には奨励研究(A)「共分散構造分析の応用的研究を促すための研究者向け教授法の開発」研究を行なった。そこでは共分散構造分析の柔軟なモデル構成力を反映し、応用範囲も、心理学・教育学・社会学・経済学・工学・医学・保健学・行動科学・疫学・マーケティング・製品開発と非常に多岐に渡っている。
 共分散構造分析のソフトウェアは非常に扱いやすく、応用的研究は現在飛躍的に増えてる。しかし理論的展望は極めて少なく、このままでは皮相なレベルの応用的研究が増加してしまう。過去30年の共分散構造分析の着実な展望を行うことにより、高品位な応用的研究が我国に定着することが期待される。
 そこで統合的な支援システムの構築のために、過去30年間の当該分野の理論的・応用的成果を学術論文、メーリングリストを中心にサーベイし、文科系の学生・大学院生・研究者が利用しやすい形式にまとめてデータベースを構築した。そして、その研究と平行し、30年の歴史を持つ共分散構造モデルの文献目録と展望の作成を行った。研究成果は、日本行動計量学会の査読誌・行動計量学に発表した。