表題番号:2000A-026 日付:2004/10/29
研究課題日本における労働者派遣法制の展開過程の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 島田 陽一
研究成果概要
 本研究テーマは、本研究者の継続的なテーマであるが、1999年の労働者派遣法の改正については、その意義と今後の課題について、本特定課題の研究助成期間前の段階においてではあるが、「改正労働者派遣法における適用対象業務のネガティブリスト化の意義と問題点」(早稲田法学75巻3号)において、(2000年3月)公表した。
 2000年度においては、引き続き、労働者派遣法の立法過程を詳細にフォローする作業に取り掛かった。この過程で明らかになったのは、派遣労働をめぐる問題を他の非正規雇用と切り離して分析するのは、必ずしも妥当ではないということであった。というのは、日本における派遣労働の需要が、ヨーロッパに見られる代替労働または臨時的的労働とは異なっており、非典型雇用全体のなかでの派遣労働の実態面における位置付けを知るためには、非典型労働全体に目を向ける必要があるからである。そこで、研究計画を一部修正して、対象を非正規雇用全体に広げて、その法的問題点を探ることにした。この研究の初歩的な成果が、「雇用・就業形態の多様化と法律問題」自由と正義51巻12号(2000年12月)である。
 本研究固有のテーマである、労働者派遣法の立法過程については、現在、その作業を継続中であり、なお取りまとめの段階に来ていない。研究全体としては、非正規雇用全体に広げながらも、労働者派遣法の展開過程については、近い将来その成果を公表できるものと考えている。