表題番号:2000A-019 日付:2002/02/25
研究課題先端医療と法的コントロール
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 浦川 道太郎
研究成果概要
 本研究の目的の1つは、医療技術の発展が倫理問題を提示している遺伝子治療、生殖医療、終末期医療などについて、各国の情報を収集し、今後の研究に利用できるデータベースを作成することであったが、この目的は、ドイツ、およびその他の欧州諸国の情報を収集・整理することでほぼ所期の目的を達成できた。
また、研究目的に掲げていた欧州評議会の生命倫理条約の分析と、欧州諸国における条約の受容に関する議論状況の研究については、マンハイム大学で2000年10月に開催された「欧州評議会・生命倫理条約に関するシンポジウム」に参加し、欧州諸国の研究者と意見交換をすることで、十分な知見を得ることができ、必要な資料を集めることもできた。この成果は、近日中に論文として纏める予定である。
なお、研究課題と関係を有する終末期医療における医療のあり方については、2000年10月にライプチッヒで開催されたドイツ法曹大会民事法部会に参加し、主催者のマンハイム大学のタウピッツ教授らと意見交換をおこなった。このシンポジウムの前提となる比較法的研究については、申請者は、日本の状況に関する報告書を作成して提出したが、これも本課題研究の成果である。
上記の国際シンポジウムに参加する中で、欧州諸国の研究者のみならず、韓国・中国の同一分野を研究している法学者と知り合いになれたが、これは今後の研究を進めるうえで、役立つものと考えている。