表題番号:2000A-004 日付:2002/02/25
研究課題早稲田大学中国語CALL教材用基本文法情報電子データベースの作成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 教授 砂岡 和子
研究成果概要
 文法情報電子データベースの作成にあたり、広く語学補助教材として共用できるよう以下の2点に重点を置き、開発と研究を行った。
A)文法項目選定基準は一般性が高くシンプルであること
B)共有教材として利用しやすい電子データテキストで提供すること
現在までの研究成果を以下に挙げる。
①CALL99(立命館大学樋口昌敏氏開発)による中国語初級・中級文法ドリル問題を約1000題作製完了。すでに砂岡担当の政経学部・商学部の中国語授業字間と課外補助教材用に利用開始している。平易で自己採点型インターフェイスをもつCALL99学習ソフトは学生の自学自習を助け、個々のレベルに応じた語学学習を可能にした。教員はテキストに準拠した問題の作製ができ、学習履歴保存と成績管理用ファイルを参照して、より正確に個々の学生の習得状況を把握できる。2000年度から2001年度にかけ、本教材を定期試験にも採用した結果、ペーパー試験では出題数が30-40題が限度なのに対し、80問まで問題数を飛躍的に増やすことができた。異なるレベルの学生に充分応える出題庫確保と、受験しつつ自学する考査方式、個人履歴が明白でカンニング無用の試験方式という一石三鳥の効果を実証できた。
②CALL99に搭載する文法情報は、語順入れ替え問題を中心にすでに1000題を作製した。基本文法情報は教員があらかじめペルプやコメントに提示しておき、学生はドリル回答のさい参照しつつ基本文法を会得する形式である。今後、当初作製した文法情報に学生の学習歴分析結果をフィードバックし更新予定である。また文法問題に加え基本漢字と語彙ドリルの増強を急いでいる。各問題には可能な限り音声ファイルと画像ファイルを添付し、語学学習効果の向上を図る計画である。
③完成問題はCDROM形式で公開予定である。またWEB上でも使用できるよう、漢字コードを含むソフトのマルチリンガル対応をソフト開発者に打診中である。将来は本電子文法情報データベースを基にCALL授業に特化した電子学習辞書構築を目指したい。