表題番号:1999C-002 日付:2002/02/25
研究課題異なるレベルの民主主義諸国における投票率の国際比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 教授 谷藤 悦史
(連携研究者) 政治経済学部 教授 田中 愛治
(連携研究者) European University Institute 教授 Jean Blonndel
(連携研究者) University College Dublin 教授 Richard Sinnot
(連携研究者) University of Aarhus 助教授 Pall Svensson
研究成果概要
 日本とヨーロッパ諸国の地方選挙、国政選挙、ヨーロッパ議会選挙についての実証的なデータを集積することによって、現代民主主義諸国の地方、国、国を超えた地域統合のレベルにおける政治参加の変化と現状を明らかにし、先進民主主義諸国の政治参加の将来を総合的に展望することをねらいとして、本国際共同研究は組織された。
 この2年間、日本研究グループは、研究助成によって、二つの大規模調査を実施し、日本における政治参加ならびに棄権に関するデータの集積と統計解析用データの構築、データの英語への翻訳ならびに配布を行った。
 第一の調査は、1999年の統一地方選挙を対象として、地方選挙の参加と棄権についての全国調査を実施した。実施期間は、1999年5月7日から10日、満20歳以上の男女を対象として、標本数2000人の全国調査である。これに基づいて、「統一地方選挙の政治参加に関する調査(単純集計表)」、「統一地方選挙に関する調査(基本クロス集計表)」として纏めると共に、SPSS統計解析用データ・ファイルを構築した。
 第二の調査は、2000年6月の衆議院総選挙を対象として、国政選挙の参加と棄権についての全国調査を実施した。実施期間は、2000年7月7日から10日、調査規模は前年の統一地方選挙時の調査と同様である。これに基づいて、「衆議院選挙の政治参加に関する調査(単純集計・基本クロス表)」として纏めた。さらに、SPSS統計解析用データ・ファイルの構築を行った。
 上記二つの集計表ならびにデータ・ファイルは、英語に翻訳され、共同研究に加わったヨーロッパの研究者に配布された。
 ヨーロッパの研究グループは、EUからの補助のもとに、ヨーロッパ地域における政治参加の現状に関わる調査とデータ収集がなされた。これに基づいて、本年4月25日、26日、ベルギーのブリュッセルで投票行動と選挙予測に関する国際会議が開催された。日本側の研究グループから谷藤に出席要請があったが、学期途中であることから困難となった。会議内容については、後の日本側へ報告されることになっている。
 これまでの研究期間中に、データの集積と構築に時間が費やされたが、本年より、集積されたデータに基づいての論文の提出、学会報告がなされる。論文は、「早稲田政治経済学雑誌」、「WASEDA Political Studies」等に掲載される。また、本年10月には、データの解析に基づいて、早稲田大学国際会議場において、早稲田政治学会との共催で、「異なるレベルの政治参加に関する国際シンポジウム」を開催され、研究成果の発表がなされる。将来的には、ヨーロッパの研究グループとの共同出版が企画されている。