表題番号:1999B-007
日付:2002/02/25
研究課題語彙機能文法をベースとした自然言語研究への計算機科学的アプローチ
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | 教育学部 | 教授 | 守屋 悦朗 |
(連携研究者) | 法学部 | 教授 | 原田 康也 |
(連携研究者) | 教育学部 | 教授 | 中野 美知子 |
- 研究成果概要
- 語彙機能文法(LFG: Lexical Functional }Grammar)は自然言語の構文・意味論の研究において有力な文法理論として言語学の観点のみならず数理的な観点からも多くの研究がなされている文法理論の1つである。本研究ではLFGというフレームワークの有効性を明らかにすることを目指し、(1)その記述能力を形式言語・オートマトン理論の観点から明らかにすること、(2)人間の言語能力獲得に関するLFGにもとづいたモデルの研究、(3)言語学で最近提案された意味表記のための言語とLFGとの比較研究、などを中心に研究を進めてきた。
(1)に関する成果はすでに守屋の論文や国際会議での講演として発表したが、今後はLFGのサブクラス、特にmildly context-sensitive languageと呼ばれる、言語学的にも数理的にも多くの等価な文法を持つクラスを中心に研究を進める予定である。とりわけ、tree automatonによる特徴付けは有用であると考えている。(2)および(3)に関する成果は中野および原田の論文や国際会議での講演としてすでにその一部分を発表した。特に、1999年には第12回World Congress of Applied Linguisticsにおいて「LFG and its Computational Implications」と題する特別シンポジウムを本研究の共同研究者と電気通信大学の西野哲朗助教授とで共同主催し、LFGの提唱者であるStanford大学のJ.Bresnan教授やその共同研究者であるR.M.Kaplan、P.Sells両博士を招いて、研究発表と有意義な討論を行なった。これらをはじめとする現在進行中の成果は、以下に示した論文とは別に今後発表する予定である。