表題番号:1999A-853 日付:2004/01/20
研究課題発酵法による有用アミノ酸生産プロセスの開発研究と生産機構の解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 木野 邦器
研究成果概要
 L-ヒスチジン(HIS)は胃潰瘍、貧血の治療薬など医薬品としてのほか、食品添加物や化学品としてもその用途は広く、世界で約400T/年が生産されている。そのほとんどを供給している協和発酵では、糖蜜を主炭素源としコリネ型グルタミン酸生産菌の変異株を用いた発酵法により生産しているが、本生産菌では生産されるHISと等モルのグリシン(Gly)を副生するため、大幅な成績向上が期待できず、またGlyの生理的特性から生産菌活性の低下が余儀なくされている。一方、糖蜜産出国における精糖技術の向上とグルタミン酸発酵工業の隆盛等によって、我国など諸外国へ輸出される糖蜜の価格上昇や品質の低下は著しく、発酵成績の低下や製品品質への影響が問題となっている。さらに発酵廃液処理に関わる環境対策も解決すべき大きな課題である。こうした状況を踏まえ、我々は大腸菌を生産菌株として選定し、従来の知見も生かしつつ変異育種にて効率的に生合成制御の解除を図り、生産性の高い実用菌株の造成に成功した。(特許出願)