表題番号:1999A-802 日付:2002/02/25
研究課題清末民国初期、中国買辧商人の経済活動とその制度的基盤
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 助教授 本野 英一
研究成果概要
 昨年特定課題研究助成費の支給を受けて行った研究活動の成果の一部は、11月3日に京都大学で開催された東洋史研究会大会での研究報告「辛亥革命期上海に於ける株式先物取引規制と破産処理―1910年ゴム株恐慌をめぐる一考案―」にまとめられた。これは夏休み中に読み終えた史料のみに基づく中間報告であり、これ以外にもイギリス外務省領事報告、中国側史料を読んで補わなくてはならない部分がかなり残っている。幸い、上記の学会報告の内容は京都大学東洋史研究会主催者側の好評を得ることが出来、今年11月末日までに論文にまとめて提出するようにとの依頼を受けることが出来た。目下はこの論文作成の準備作業として前述の史料を読む作業を進行中である。
 もう一つ、1998年に学習院大学で開かれた社会経済史学会での自由論題報告「在華イギリス会社登記制度をめぐる中国商人の動向とイギリス政府当局の対応―上海租界・香港を中心に―」を論文にまとめるための準備作業については、昨年12月に特定課題研究費の補助を受けて香港歴史档案館に出張し、日本では入手不可能である上海に設立されながら香港に「イギリス籍有限株式会社」として登記された会社の中国人株主のリストを数多く入手することが出来た。この史料を追加して上記学会報告を論文にまとめなおす作業は今年前半に完成させる予定である。