表題番号:1999A-533 日付:2002/02/25
研究課題光エネルギー変換セラミック材料の実証試験研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 一ノ瀬 昇
研究成果概要
 材料、特にセラミック材料において、エネルギー変換に関する現象は極めて多い。エネルギーの形態の分類はいろいろな考え方があるが、エネルギーが移動するときの形態に重点を置いて分類すると、力学的エネルギー、熱エネルギー、電磁気エネルギーなどがある。セラミック材料を媒体としてこれらのエネルギー相互変換のほとんどすべての過程が可能である。
 エネルギー変換作用を利用するに当たっては、変換にあずかるエネルギーの量や質によっていろいろな過程が存在する。一つは電力源としての電気エネルギーを取り出すような場合で、大きな量のエネルギーが関与する過程であり、変換効率の向上が重要な問題となる。また信頼性、材料コストなども問題となる。
 本研究の目的は、セラミック材料をエネルギー変換材料に適用し高度なセラミックプロス技術を導入することにより高性能化を計るものである。特に光エネルギー変換材料の創製を行うことが本研究の主目的である。本研究で得られた結果は次の通り。
1)発光管材料の高性能化:従来の透光性アルミナに比べ新規に開発した透光性YAG(YAlO12)は直線透過率が大幅に向上し、また耐ナトリウム性が優れており、新しい発光管として有用であることがわかった。
2)赤外線反射膜の高効率化:赤外線反射膜として従来のTiO-SiO系に対してLaO-TiO-SiO多元系は効率が改善され有望であることがわかった。
3)光触媒材料の開発:従来のTiO触媒に代るものとしてZnO系を検討した。ZnO単結晶を用いその(0001)表面をCAICISS,AFMなどで調べ、格子緩和を観測した。ZnO単結晶表面の基礎研究からZnO系材料は触媒として可能性があることがわかった。