表題番号:1999A-252 日付:2002/02/25
研究課題電産型賃金の形成・変遷に関する歴史社会学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 河西 宏祐
研究成果概要
(1)電産に関する基本的資料の収集に努め、分類・整理・分析を行った。その成果を、河西宏祐編『電産中央本部資料・電産地方本部資料――解説および目録』(早稲田大学人間科学部社会研究室刊、63頁、1999年6月、として刊行した。
(2)上の資料に基づいて、電産型賃金の形成・変遷に関する分析を進めた。その結果、従来の学説とは異なる種々の知見を得ることができた。
 例えば、従来の通説は、電産型賃金を生活給・年功給として規定していたが、実際には技能給・能力給の性格がかなり高いこと、能力給の査定に関して、従来の通説のように経営側が全面的に査定権を行使していたのではなく、組合側が経営側の査定権を実質的に拘束していた点を解明した。
(3)今後、さらに電産型賃金の変遷の過程を歴史的に検討する作業を続けたい。