表題番号:1999A-217 日付:2002/02/25
研究課題ノンフロン波動冷凍法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 助手 納富 信
研究成果概要
◎パルス管冷凍機:パルス管冷凍機の形状寸法が、冷凍機性能に与える影響を調査する実験を主として行った。パルス管形状寸法(長さ、内径、容積)、蓄冷器形状寸法(長さ、内径、容積)、冷媒封入圧力、稼働周波数、リザーバ容積、オリフィス開度をパラメータとして性能試験を行った結果、以下のような傾向が確認された・・稼働周波数、冷媒封入圧力、パルス管容積、オリフィス開度、リザーバ容積で決定される最適な運転条件が存在する。・蓄冷器形状寸法は、それだけを単独で変更しても上述の最適運転条件には影響を与えない。・蓄冷器形状と最低到達温度との関係は、蓄冷器損失(再熱損失)と蓄冷器における圧力損失との兼ね合いで決定される。また、冷凍機をモデル化し数値シミュレーションを実施した結果、形状条件と運転条件によって規定される最適オリフィス開度の存在、パルス管形状の影響に関して実験結果との定性的な一致を確認した。
◎熱音響冷凍機:熱駆動発振器の基礎特性に関する調査を行った。発振器スタックの共鳴管における位置の最適化を図るため、スタック位置を変化させて性能試験を行った。その結果は以下の通りである。・入力量に対する圧力振幅が最大となるのは、共鳴管長に対して閉止端から約1/4の位置である。・最小入力量で圧力変動が発生するのは、共鳴管長に対して閉止端から約1/2の位置である。
◎今後の展望:従来から用いられている、エネルギ消費を基本としたCOPによる冷凍機性能評価を見直し、有効エネルギ的観点から極低温冷凍機の効率を評価する手法の確立に取り組んでいる。また、地球環境への影響の観点から、既存の蒸気圧縮式冷凍機も含めた冷凍機全般の評価法の構築に取り組んでいる。これは、指標TEWI(Total Equivalent Warming Impact)を基本にして、さらにいくつかの要目を考慮することによって、より現実的な評価指標へと発展させる試みである。