表題番号:1999A-158 日付:2002/02/25
研究課題無限次元線形行列不等式に基づく制御系の解析設計法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 内田 健康
研究成果概要
 まず、モデリング手法およびモデリングの実例の調査、および関連の研究のサーベイをおこない、状態の一部分をパラメータにとることで線形形となる非線形系、むだ時間や空間パラメータを持つ分布定数形、不確かなパラメータを持つ系について検討した。
 次に、パラメータを持つ線形系のモデリングをおこない制御問題を定式化した。具体的には、想定する3種類のパラメータを用いた線形系によるモデリングの有効性を詳細に調べ、モデルに基づいて構成される制御則によってどのような制御性能が保証できるのかを、パラメータの性質に基づいて理論的に、また計算機シミュレーションを用いて検討し、制御問題を定式化した。
 定式化された制御問題において、無限次元線形行列不等式によって記述される条件の導出をおこないゲインスケジューリングにおける隠れループの問題の解法を提案した。最初に、定式化された制御問題に対する条件を、パラメータに依存する無限次元線形行列不等式の形式で導出した。ひきつづき、非線形系をパラメータを持つ線形系としてモデル化した場合に焦点を絞り、パラメータが状態に依存してしまう(すなわち隠れループが存在する)ことを事前に考慮するために、可到達領域の評価法を導入して、閉ループ形の特性のみならずパラメータの特性も含めた解析設計のための無限次元線形行列不等式条件を導出した。