表題番号:1999A-145 日付:2002/02/25
研究課題インターナショナル・ガバナンスの研究-コーポレート・ガバナンスの日英比較-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 専任講師 広田 真一
研究成果概要
 本研究では、「現在の日本企業の弱さは何から生じたのか、それは諸外国と比べて何が異なっているのか」という問題意識から、コーポレートガバナンスの日英比較を行うことを試みた。
 まず、日本のガバナンスの実証研究として、"Does Financial Market Competition Destroy Lending Relationships? Evidence from the Main Bank Relations in Japan" と "Main Bank Relationships, Intercorporate Shareholdings, and Corporate Governance in Japan: Evidence from 1960s-1990s" 「銀行介入型ガバナンスの機能は変化したか?石油ショック時から90年代までの比較」という3つの研究論文を作成した。1つ目の論文は、金融の自由化・国際化が、日本のガバナンスを支える銀行・企業関係に与える影響を分析したのものであり、1999年度日本経済学会春期大会で報告した。2つ目の論文は、日本のメインバンク制、株式持ち合いが、企業経営の効率性に与える影響を考察したものであり、1999年度日本ファイナンス学会で報告した。3つ目の論文は、日本独特のガバナンスメカニズムであるContingent Governance の機能の変化を検討したものであり、1999年度日本金融学会秋期大会で報告した。
 その一方で、1999年夏にバーミンガム大学のDickinson 氏が来日し、イギリス企業のデータ収集の相談を行った。そして、1999年度いっぱいは、イギリス企業のデータベースの作成にあてられた。このデータを用いて、現在イギリスのコーポレートガバナンスの実証研究を行っている最中である。