表題番号:1999A-133 日付:2002/02/25
研究課題重商主義の現代的評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 大森 郁夫
研究成果概要
 特定課題申請時に提出した研究計画書にそって「重商主義」Mercantilismにかんする旧い観念を批判的に再検討しながら、新しい重商主義像を構築するための個別・共同の両研究を全期間をつうじて行った。1999年11月に予定されていた経済学史学会全国大会におけるフォーラム「重商主義の再検討」のコーディネーターとして、フォーラムを成功に導くために新たに重商主義研究会を発足させ、前年度の1998年7月(関西学院大学)および12月(早稲田大学)の研究会に引き続き、1999年6月に京都(京大会館)で第3回研究会を開催した。そこにおいて、「なぜ重商主義を再検討するのか?」というテーマで研究報告を行ない、自らの研究成果の中間報告をすると同時に、研究会メンバーにフォーラムの目的を明示して問題意識の共有化に努めた。さらに、同年11月の大会フォーラムでは司会を務めるとともに、新しい重商主義像の諸類型と経済的自由主義との関連をめぐる開題報告を担当した。その時の報告内容は新たな内容を加えて計画が進行中の論文集に発表する予定である。
 1999年度は同時に特別研究期間に当たっていたため、4月、7-9月、12月および2-3月にわたって4回おもにアメリカ合衆国、マサチューセッツ州ボストン地域に出張し、ハーバード大学(クレス文庫)、ボストン大学(ミューガー図書館)、ノースイースタン大学中央図書館等で重商主義にかんする古典と最新の研究文献の読解と収集に努め、関連の研究者と意見交換をした。3月にはニュー・ジャージー州のプリンストン大学図書館でも同様の調査と資料収集を行なった。そこで収集した文献ならびに資料コピーはアルバイトの院生の協力によって順次PCにテーマ別に整理・入力し利用してきた。なお、大会フォーラム終了以降も重商主義研究会を継続発展させ、成果の刊行に向けて共同研究を進める計画である。