表題番号:1999A-079 日付:2002/02/25
研究課題わが国におけるシュッツ研究の蓄積と現状ならびに今後の展望に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 教授 那須 壽
研究成果概要
(1) まず、日本社会学会の学会誌『社会学評論』の年次別文献目録に拠りながら、A・シュッツの名前が論文のタイトル(あるいはサブタイトル)に使用されている論文をリスト化すると同時に、それらの論文に直接当たりながら、そこで参照・引用されているシュッツ関連の文献リストを作成した。ちなみに、2000年3月31日現在で513篇の著書、論文がリスト化されている。
(2) そこでリスト化された著作の著者に手紙を出し、当該著作やその抜刷あるいはコピーの「早稲田大学シュッツ文庫」への寄贈を依頼し、また可能なものはコピーを取り、扱われているおおよそのテーマ別に整理した。
(3) リスト化された著作のうちで、英文タイトルの付されていないものすべてについて、日本語タイトルをできるだけ忠実に英語に翻訳し、著者自身による英文タイトルが付されているものと合わせてシュッツ関連著作の英文リストを作成した。
(4) 10月に「早稲田大学シュッツ文庫」のホームページを日本語と英語の両方で立ち上げ、そこで文献リストを公開し、また同時に、フロリダアトランティック大学(アメリカ合州国)の「現象学高等研究センター」が世界的規模で進めているシュッツ関連二次文献の索引化作業に協力して資料を送付した。本研究によって作成した、日本におけるこれまでのシュッツ研究の蓄積と現状を示す、英文による文献リストは、現在、同研究センターのホームページ上で公開されている文献リストの一部をなしており、そのリストに基づいた世界各国からの問い合わせが、早稲田大学シュッツ文庫宛てに届きはじめている。
(5) 今後、上記(1)(2)の作業を継続して進めると共に、これまでに収集してきた資料のさらに詳細な分類作業を推し進め、わが国におけるこれまでのシュッツ研究の傾向と今後の展望を模索する作業が進められるだろう。