表題番号:1999A-013 日付:2002/02/25
研究課題軍備管理と国際輸出管理の構造的連繋に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 教授 山本 武彦
研究成果概要
 標記テーマに関して、在外研究で滞在したジョージア大学での研究環境を利用すると共に、ワシントン、ロサンゼルス、アトランタに出張して冷戦後のアメリカの世界戦略の一つの柱となった、大量破壊兵器および関連物資・技術の移転規制問題を中心にインタビュー・リサーチと資料収集にあたった。また、ワシントンでは国立公文書館に通い、1952年に日本が対共産圏輸出統制委員会(COCOM)に加盟するに至った外交過程とCOCOMおよび対中国輸出統制委員会(CHINCOM)への日本政府の関与に関する秘密指定解除文書の検索・複写の作業もあわせて実施した。
 軍備管理と輸出管理はコインの裏表の関係にあり、アメリカが第二次世界大戦以降、常に政策実践のイニシアチブを発揮してきたが、その歴史と現実をわずか1年間の研究だけで分析し尽くすことは不可能に近い。標記テーマに関して特に日米安保体制下における北東アジアでの軍備管理問題と輸出管理問題、輸出管理とハイテク技術の「囲い込み」力学との相関関係、アメリカにおける核兵器技術の管理問題と中国脅威論との関連性、などをめぐって論文発表と国際学会におけるペーパーの提出・発表を行ったが、1999年度の特定課題に関する研究成果はその一部に過ぎず、今後も研究を継続する意図に変わりはない。なお、英文ペーパーの一部はアメリカで共著として出版される予定であり、その他の英文ペーパーについても、修正のうえ、Waseda Political Studyなどの学術雑誌に掲載する予定である。