表題番号:1998B-528
日付:2002/02/25
研究課題都市環境シミュレーターを用いた住民参加型都市計画手法の教育・実践プログラムの開発
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学部 | 教授 | 後藤 春彦 |
(連携研究者) | 理工学部 | 教授 | 佐藤 滋 |
(連携研究者) | 専門学校 | 教授 | 卯月 盛夫 |
(連携研究者) | 社会科学部 | 助教授 | 早田 宰 |
(連携研究者) | 理工総合研究センター | 助手 | 三宅 諭 |
- 研究成果概要
- 将来の都市環境を予測あるいは評価する方法として様々な映像メディアを活用したシミュレーション技術の開発がすすめられている。また、まちづくりへの住民の参加と合意形成を促す手段として、ワークショップの有効性が各地で報告されており、多岐にわたる主体が科学的に合意を形成していく方法を社会的な技術として確立することが求められている。これまでに小型CCDカメラと都市景観模型による景観シミュレーションが景観イメージの合意形成手法として有効であることを明らかにしており、本研究では、まちづくりの過程と環境形成を同時進行的にシミュレーションすることが可能な都市環境シミュレーターを用いて、住民が相互に学習しながら自らの手で、まちづくりのシナリオと市街地像を形成し、共有・合意していくシステムを確立することを目的として研究を進めた。本研究の成果は以下の2点である。
①映像を媒体とするコミュニケーションツールの開発(対話型シミュレーションの充実)
まず、江戸時代より伝わる「起こし絵図」に着想を得て、これまでに開発した都市景観模型より簡易なツールとして「街並み起こし絵図」を開発した。次に、被験者実験を行い、街並み起こし絵図と小型CCDカメラによる景観シミュレーション映像の評価特性を把握した。さらに、街並み起こし絵図を用いた景観シミュレーションワークショップを実施し、映像を媒体とするコミュニケーションツールとしての有用性を検証するとともに映像を媒体とした対話型シミュレーション手法を構築した。
②都市計画実験プログラムの開発
都市計画職能教育への本システムの応用を目指して教育プログラムの開発を行った。具体的には現行の都市計画規制のもとで想定されるまちづくりの過程と都市環境の形成過程をシミュレートし、その評価をもとに新たなまちの将来像の提案を行う都市計画実験プログラムを開発した。さらに、都市計画家に必要なプレゼンテーション能力の修得を可能にするため、さまざまなシミュレーション手法を併用することを通してそれぞれの長所、短所を経験できるように教育実験プログラムの改良を行った。