表題番号:1998B-525
日付:2002/02/25
研究課題人間共存型ロボットに関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学部 | 教授 | 橋本 周司 |
(連携研究者) | 理工学部 | 教授 | 成田 誠之助 |
(連携研究者) | 理工学部 | 教授 | 白井 克彦 |
(連携研究者) | 理工学部 | 教授 | 高西 淳夫 |
(連携研究者) | 理工学部 | 教授 | 菅野 重樹 |
- 研究成果概要
- 本年度は、情報系4グループと、機械系2グループでそれぞれの分野での、要素技術の研究開発と統合システムへの準備を行った。研究項目は、画像処理、音声処理、力覚情報処理、感性情報処理、ロボットの腕、手、脚の機構と制御方式および遠隔操作など多岐にわたっているが、昨年度までの成果を部分的に統合する試みも行った。また、国際会議で積極的に成果を報告するばかりでなく、ロボフェスタ神奈川プレ大会をはじめいくつかのロボット展覧会への参加と海外でのデモンストレーションも行った。主な成果は以下のとおりである。
情報系では、1)画像処理に関しては、能動的な視覚系により環境地図の自動作成の研究を進め、局所的な地図を作成すると同時にその地図を手掛かりにオープンスペースへの移動を行う情報収集戦略を検討した。2)人物認識では、オプティカルフローを解析して背景の動きと人物の動きを分離する手法を検討した。3)音声対話に関しては、マルチモーダル対話システムにおけるサブモジュール間の情報共有の方法について検討し、音声認識と話者認識を同時並行的に行う機能を実現した。4)遠隔操作システムNAVIGATEの開発を行い、環境を自律的に先行認識し、目的地に遠隔操作および自走で到達するロボットのプロトタイプも試作した。
一方、機械系では、1)感覚に関しては、頭部ロボットの眼瞼部に新たにロール軸方向の自由度を付加し、目尻の上げ下げを実現した。また、顔色表出機構および発声機構を搭載した。2)歩行に関しては、上下肢・体幹・頭部を有する2足歩行型ヒューマノイドロボットWABIANの新しい制御アルゴリズムを考案し、キー入力・音声入力・視覚の3種類の入力に対する継続的な追従運動を実現した。3)マニピュレーションの研究では、作業性と安定性を両立した姿勢決定アルゴリズムを構築し、シュミレーションによってその有効性を確認すると同時に、人間との物理的インタラクションが可能な、4指13自由度からなる人間形のハンドを製作した。4)生物と機械の相互作用に関する研究では、目標を自動追従することのできるロボットシステムを開発し、それを用いてラットのにおいをつけたロボットがラットの行動にどのような影響を与えるのかを調べた。