表題番号:1998B-507 日付:2002/02/25
研究課題中国地方諸藩の比較史的総合研究―岡山藩を中心に―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学部 教授 深谷 克巳
(連携研究者) 文学部 教授 安在 邦夫
(連携研究者) 文学部 教授 紙屋 敦之
(連携研究者) 教育学部 教授 村田 安穂
研究成果概要
 1998年度・1999年度の研究成果は、以下のようにまとめることができよう。
 課題「中国地方所藩の比較史的総合研究―岡山藩を中心に―」にそって研究の基礎となる史料の収集を重点的に行った。1998年度には、7月に山口県文書館(毛利家文庫)、津山郷土博物館(愛山文庫<津山松平家文書>)、九州大学九州文化史研究所(備前国乙島村守屋家文書)、翌年3月に山口県文書館(毛利家文庫)を調査し、撮影による史料収集を行った。1999年度には、8月に岡山大学付属図書館(池田家文庫、日笠家文書、西尾家文書、荻野家文書)、津山郷土博物館(愛山文庫)、鳥取県立博物館(鳥取藩政資料)、翌年3月に津山郷土博物館(愛山文庫)、山口県文書館(毛利家文庫)で、98年度と同様の調査を行った。以上のように、岡山藩領および周辺地域の地方史料と、津山藩・鳥取藩・萩藩の藩政史料の調査を行った。これらに併行して、「池田家文庫藩政史料マイクロ版集成」に収められている岡山藩の史料から、必要なものを選択して複写した。これらの調査の成果の一部は、深谷克巳「宝永在廻令-中期岡山藩政と民百姓-」(『早稲田大学大学院文学研究科紀要』第44輯・第4分冊、1999年)に反映されている。
 中国地方諸藩の比較史的検討を行う中で、個別藩の藩政なり領民の活動が一藩にとどまることなく、周辺地域、他藩、大阪、江戸などにまで及んでいることがあらためて強く確認された。そのような藩の姿は全国的にみることができようが、幕府の全国支配のありよう、外様大藩の多少、流通構造、などから考えて、東日本と西日本とでは、おのずから異なってくると思われる。この2年間の研究成果をさらに発展させて、西日本という枠組みで、広がりをもつ藩のありよう、そのような藩同士の織りなす関係、さらに幕府・朝廷や東アジアとの関係を探っていく必要があると考える。