表題番号:1998A-916 日付:2002/02/25
研究課題日本の運輸分野発展への世界銀行資金導入に使はれた経済学的分析道具の検証。
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) アジア太平洋研究センター 教授 阿部 義章
研究成果概要
 日本が経済成長の時期に突入した1950~60代には、社会資本整備の為に多額の資金を必要とした。国内資金の不足は外資導入戦略で賄われ、その一部はブレトンウッズ体制内の世界銀行からの借り入れであった。特に重点が置かれた分野は電力・運輸セクターで、この研究ではそのなかの東海道新幹線(運輸省)と東名高速道路(建設省)への資金導入に関して、各々の事業計画の妥当性を説明するに使はれた経済学的分析道具を調査するものである。日本のマクロ経済の予測から始まり、東京―大阪間の貨物・旅客の総需要の分析、どんな方法で、即ちどんな競争料金制度の仮定のもとその総需要が新幹線と高速道路に分配され、双方の事業計画の妥当性が立脚されたが研究対象である。又当時の予測と実際の交通量、原価、運転/利用効率も説明されなければならない。借り入れの順序からすると、日本側の世銀からの借り入れ要求のもとになる調査結果を調べ、それを世銀側の報告書と比較する事も大切なことがわかった。最後に、当時の費用、便益分析の応用と、日本における公共投資の是非を問う為の分析道具の応用との比較も是非続ける予定である。