表題番号:1998A-890
日付:2002/02/25
研究課題バイオフィードバックが全身運動に与える影響
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 人間科学部 | 専任講師 | 堀野 博幸 |
- 研究成果概要
- 本研究では,非利き脚によるインステップキックを課題として,技術水準別に,ボールの初速度と正確性をキックパフォーマンスに取り込み,同時に対応する筋活動との関係を定量的に調べた.筋活動の定量化には,筋活動の絶対量を示す「EMG積分値」とキック動作内の相対量を示す「EMG率」を指標とした.実験の結果,以下のことが明らかとなった.
1. 高技術者群における僧帽筋のEMG積分値と的からの距離に有意な正の相関が,初速度との間に有意な負の相関がそれぞれみられた.また胸腰筋膜のEMG積分値と初速度に高い正の相関がみられた.これらのことから,高技術者群では,踏込からインパクト局面における僧帽筋活動がキックの正確性に影響し,同局面の胸腰筋膜の筋活動と僧帽筋活動の両者は,ボールスピードに影響する.
2. EMG積分値とEMG率の各指標とキックパフォーマンスとの関連について,高技術者群では両者の関連が合致していたものの,低技術者群では両者の関連が著しく異なった.この原因として,高技術者群では,各局面における筋活動の発現形態が試行間で安定しており,動作中のどの時点で活動を集中的に動員し,効果的な動作を遂行すべきか学習されている.これに対して,低技術者群では,キック動作中の筋活動の発現形態が試行ごとに異なり,筋活動を集中的に動員する時点にばらつきがある.そのため,効果的なキック動作の遂行に至っていないことが考えられる.