表題番号:1998A-696 日付:2002/02/25
研究課題タイ国における華人・華僑の政治運動1920―1960年
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) アジア太平洋研究センター 教授 村嶋 英治
研究成果概要
 本研究は、報告者の既存研究『シャム華人の政治ータイ華僑の政治運動1924―1941年』(タイ国、チュラーロンコーン大学アジア研究所中国研究センター双書第一号、1996年、237ページ、タイ語)を基礎に、同研究時には利用できなかった台湾における国民党政府、国民党資料を利用し、しかも時期も戦後にまで延長して研究の深化を図ろうとしたものであった。このため、98年8月に台湾に出張して、2週間に亘って、国民党党史委員会、国史館(国立公文書館)、中央研究院において集中的に資料収集を実施した。収集資料から、在タイ中国系の人々の中国政府との連絡、在タイ国民党組織と人事、自由タイ運動と中国国民党政権との協力の実態などについて、既存研究では未だ利用されたことがない詳細な事実が判明した。現在、これらの収集資料を利用して、報告者の上記研究書の改訂に努めており、改訂版はタイ語のみならず、日本語でも作成する予定である。
 研究成果は、『上智アジア学』第17号(1999年度)に「タイの歴史記述における記念顕彰本的性格」として出版した。この他にもアジア太平洋研究センターの紀要である『アジア太平洋討究』に掲載予定である。