表題番号:1998A-695 日付:2002/02/25
研究課題産業別為替レートと生産拠点の移転について
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) アジア太平洋研究センター 教授 眞野 芳樹
研究成果概要
1980年代の後半以降の急激な円高と貿易摩擦により、製造業における生産拠点が北米そしてアジアへと移転していった。この間に日本国内においてもリーディング産業の移り変わりが進行した。これらのことにより、21世紀を迎えようとする現在、日本経済の産業構造に大きな変化が生じている。この変化を産業別為替レートという視点から分析しようというのが本研究である。従来の産業構造では、為替レートの変化は全産業の費用収益構造に直接影響を与え、円安・円高の局面において個々の産業の対応が問題であった。しかし、今日製造業における生産拠点の移転は、北米・アジアを中心に世界全体にわたっており、為替レートの変化の影響が単純に費用収益構造にとどまらず、複雑な生産構造の変化にも影響をあたえている。このような視点から、世界産業構造を分析し、為替レートの変化がどのような影響を与えるかについて分析している。1990年の日・米・EU・アジア産業連関構造から、日本産業の構造的な位置づけを分析し、さらに為替レートによる派生的な効果についても分析している。これらの研究成果は、アジア・太平洋研究科紀要に発表される予定である。