表題番号:1998A-660 日付:2005/11/21
研究課題高齢者のライフスタイルの向上が個人の健康および医療に及ぼす影響(予備調査)
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学部 教授 町田 和彦
研究成果概要
 成人病は生活慣習病ともいわれるほど日常生活と密接に結びついていることが明確となり、適切なライフスタイルによりその多くが予防可能と思われてきている。我々は予防医学的見地から、5年前より狭山市の老人クラブ会員と保健衛生センターの協力によりライフスタイルの改善による健康の維持増進と生きがいのある生活をめざし、健康診断と個人指導による健康増進運動を行ってきた。しかし対象者が老人クラブ会員であったためそれを一般の高齢者として普遍化するのは難しいばかりでなく、毎年7月に行う検診以外のデーターを使うことができなかった。そこで今年度より調査地を埼玉県名栗村に移し、全高齢者(約600人)を対象とし、質問紙による全数調査と昨年までと同様に応募者に対する検診をおこない、下記のような調査をおこなった。さらに、昨年はまだその時期ではないので実施をしなかったが、今後は住民検診データーやレセプトの調査も実施し、このような健康増進運動の実施と医療費との関係も含め、多くの視点から研究を行って行くつもりである。今年度は4月に全数調査を実施した後7月に4日間検診を実施した。
 調査内容は身長、体重、体温、血圧、呼吸機能、体脂肪、運動能力(握力、肺活量、開眼片足立ち、歩行能力、柔軟性、敏捷性各テスト)、ライフスタイル(栄養、嗜好品、運動習慣、睡眠、趣味、家族構成、ストレス度、生活満足度、既往歴、現在の健康状況等の面接法による質問紙調査、尿検査、採血による15項目の臨床生化学検査・貧血検査及び生体防御機能検査(白血球分類、好中球による貧食・活性酸素産生能、ナチュラルキラー細胞活性)である。これらのすべてのデーターの集計を行い、各個人ごとにまとめ、2月に一人約5分から10分間の面接をし、ライフスタイルと健康・生きがいについての指導を行った。今後データーを集積し5年から10年間の追跡調査を行う予定である。