表題番号:1998A-613
日付:2002/02/25
研究課題国際社会における「プレゼンテーション」の技法
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学部 | 教授 | 片田 房 |
- 研究成果概要
- 大学教育における研究指向方針が高まる中(cf.「学部縮小、院を中核に: 少子化時代の大学像諮問」(文相)、日経1997.11.1)、研究者を目指す学生が必要とするもののひとつに、研究成果をいち早く世界に公表し、真価を問うための基礎訓練があげられる。「研究発表のための基礎的な訓練」を目的にした科目は、米国においては分野を問わず多くの大学院プログラムの必須単位科目となっているが、日本の大学教育においても益々その必要性が認識されつつある。本研究では、国際舞台に通じる英語運用能力を定義し、プレゼンテーションの体系的なモデルを構築することを究極の目的に、次の基礎調査活動を行なった。(i)異文化が日々接触する国際企業内のコミュニケーションにまつわる実態の調査、(ii)発表者および聞き手・読み手それぞれの立場からの問題点の整理、(iii)プレゼンテーション数例のビデオ撮影。
上記調査活動を展開する過程で、90ヶ国以上で市場調査のサービスを提供しているA.C.ニールセン・ジャパン(米国資本)の協力と共鳴を得、社員を対象とした『英語意識改革』と題する2時間の講演を行なった(1998年8月28日午前9:30~11:30)。この中で、同一テーマについて日米の街頭でインタビューした映像を引用し、それぞれの話し手の論旨の展開を比較・分析して文化に固有のレトリックの存在を明確にした。また、非英語圏出身の人物、マザー・テレサの英語によるスピーチを取り上げ、言語学的な分析を行なって国際舞台に通用する英語運用能力の具体像を提示したことに共感と反響を得た。この講演内容は当テーマの継続研究資料の一端としてカセットテープに収録した。
当研究成果は英語科目の授業に活用する他、考察対象を複数の言語文化のレトリックへと拡大し、日本人にとっての英語の意味と絡めながら、より有効なプレゼンテーションの技法を伝授する実用指向の研究へと継続展開していく。