表題番号:1998A-600 日付:2002/02/25
研究課題符号化技術の情報システムへの応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 平澤 茂一
研究成果概要
 本研究は符号化技術について(1)データ圧縮を行う情報源符号化(2)誤り訂正を行う通信路符号化について基礎的な考察と同時に情報システムの応用を図ったものである。
(1)情報源符号化
 (a)基礎的考察……マルコフ情報源に対し誤り伝播をおさえることができる符号化と、部分的に復号可能なZL符号の拡張について考察した
 (b)応用……統計的モデル推定問題はユニバーサル情報源符号化の情報源モデルの推定と同じように考えることができる。ここでは、パラメータが一時間と共に変わるようなモデルが入力されたときのパラメータ変化量を推定する方法と、ベイズ符号の近似アルゴリズムを用いて木構造のモデル族の予測方法について考察した。
(2)通信路符号化
 (a)基礎的考察……2元BCH符号についてわずかな計算量の増大でBCH限界を越える復号法を示し、これを用いて近似最尤復号への適用を図った。また、たたみ込み符号を用いたARQ方式についてリスト復号を行うことにより従来の復号誤り確率,を低減する方法について考察した。
 (b)情報検索における転置ファイルの圧縮について2段階符号化を行うことにより復号・検索が容易になる方法を示し評価した。また並列化したBCH符号化によりLSIの組込みテスト回路の性能を向上させる方式を示した。