表題番号:1998A-515 日付:2002/02/25
研究課題株式会社の機関構成とフランス会社法
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 鳥山 恭一
研究成果概要
 株式会社の機関構成には、英米法が採用している、取締役会が業務執行を決定し、その選任した業務執行の担当者による業務執行を監督するという一層制の機関構成と、ドイツ法が採用している、監査役会が業務執行の監督を行ない、業務執行自体は、監査役会が構成員を選任する取締役会に委ねられているという二層制の機関構成がある。フランス会社法は、1966年の全面改正以降、株式会社についてこの一層制の機関構成と二層制の機関構成との両者を定めており、いずれかの選択を株式会社に委ねている。
 本研究は、以上のようなフランス会社法を対象にして、フランスにおける株式会社の機関構成の変遷と現状を検討しようとした。それを通して、株式会社の機関構成のあり方を検討し、とりわけ、企業運営に対する実効性ある監督機構のあり方を検討することを目的としていた。
 具体的な成果としては、すでに、「株式会社の業務執行機構と監督機構―フランスにおけるその展開―」民商法雑誌117巻4・5号(1998年)569-598頁と、「PDGと取締役会-フランス株式会社法における業務執行機構の形成-」早稲田法学73巻3号(1998年)25-50頁を公表しているが、いわゆる「コーポレート・ガヴァナンス」論との関連でさらに検討を続けており、その成果を近く公表する予定である。