表題番号:1998A-174 日付:2002/02/25
研究課題 中国正史の注釈に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 小林 岳
研究成果概要
 この研究は、「唐代以前に成立した四史の注釈に関する研究」(95年度)につづくもので、本年度は『後漢書』劉昭注の研究に加えて、『三国志』裴松之注にも研究分野を拡大した。
六朝時代の史学隆盛を証する代表的人物である劉昭および裴松之については、日本における研究の進展が遅れているかの観がある。本研究者は、従来どおりそれに関する中国語論文の翻訳をおこなうとともに、各注釈についての校勘およびコンピュータ入力によるデータベース化を継続する基礎的作業をおこない、今後もそれを続ける予定である。
 なお、今次は、劉昭および裴松之の人物像に関連して、9月に、南京における中国六朝文化国際学術会議研討会ならびに中国魏晋南北朝史学会第六回大会に参加し、各国研究者の発表を聴くとともに、それに関する討論に参加した。とくに江陵県出土三国呉木簡に関する中間報告は外国人研究者に初めて明らかにされる内容が多く、きわめて有意義で、日本における斯界の研究に益するものであった。