表題番号:1998A-151 日付:2002/02/25
研究課題比較社会科学研究―明治以降の西洋社会科学受容に見られる特徴
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学部 教授 古賀 勝次郎
研究成果概要
 4年前から「比較社会科学研究」というテーマで、明治以後の日本の社会科学者達が、西洋近代の社会科学をどのような態度で受容してきたかを研究しているが、これまで、①穂積陳重と法律進化論、②小野(清一郎)刑法学と仏教、③日本のA.スミス田口卯吉、④穂積重遠と鵜沢聡明、⑤高田保馬と山本勝市、という順序で研究してきた(①は、『早稲田社会科学研究』に、②~⑤は『ソシオサイエンス』にそれぞれ既に発表している。)今回、特定課題個人研究助成費を受けたのは、⑥長谷川如是閑と石橋湛山、⑦津田真道と西村茂樹、⑧福沢諭吉と渋沢栄一を研究するためであったが、今年度は⑥の「長谷川如是閑と石橋湛山」しか書けなかった(『ソシオサイエンス』第5号に収録)。今年度書いた⑥では、石橋湛山については、従来の湛山研究を超えるものは出来なかったけれども、長谷川如是閑の方は、如是閑思想の根底にある老子や本居宣長の思想と如是閑のデモクラシーが立つ「イギリス学」との関係がうまく実証でき、それなりの成果があったと思う。今後は、⑦、⑧の論文を1年以内に書き上げ、それぞれの論文に多少修正を施し、2年以内に、一冊の本にして出版したいと考えている。