表題番号:1998A-104 日付:2002/02/25
研究課題成熟市場への参入戦略に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 教授 恩藏 直人
研究成果概要
 本研究の計画において述べたように、まず、過去の関連研究の整理から着手した。PIMSデータベースを利用した研究をはじめ、欧米における多くの実証研究によって、成熟した市場の特性やそこでのマーケティング戦略などについては、かなりの程度解明されている。ところが、成熟市場への参入戦略をダイレクトに論じた研究は極めて少なく、とりわけ我が国においては皆無といってよい。過去の研究をレビューすることにより、本研究を進めることの意義と価値を改めて確認することになった。
 次に、松下電器産業や富士写真フィルムをはじめとして、成熟市場において高いマーケティング成果をあげている企業へのヒアリングを実施し、多くの興味深い話を聞くことができた。ヒアリングの内容は、研究仮説の設定や理論枠組みの構築において活用することになっている。
 現段階において、参入戦略の枠組みの次元として導くことのできたのは、「新規参入か再参入か」「ビジョン主導か機会主導か」「直接競争か競争回避か」である。これらの次元をベースとして、より体系化された戦略枠組みとしてまとめる予定である。
 なお、99年5月に実施された日本商品学会第50回全国大会において、本研究成果の一部を発表した。