表題番号:1998A-077 日付:2002/02/25
研究課題散逸型偏微分方程式に対する慣性多様体の離散近似と構造安定性
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育学部 教授 小林 和夫
研究成果概要
1)Chan-Hilliard方程式、Kuramoto-Shivashinsky方程式、双安定反応拡散方程式などをモデルとするHilbert空間における発展方程式
(D) du(t)/dt=Au(t)+F(u(t)), t>0
に対する慣性多様体の構造安定性を差分近似の立場から考察した。ここで、Aは解析的線形半群の生成作用素で、Fは非線形作用素である。(E)に対する差分近似として次を考える。
(D) nl=C(λen-1l+λlFln-1l) n=1,2,……
但し、C(λl),flはl→∞のときする意味でA,Fにそれぞれ収束している。次の結果を得た。(D)に対する慣性多様性は(E)に対するそれにC1位相の意味で収束する。これにより、慣性多様体上のダイナミックスは差分近似に関して構造安定であることが保障された。2)非線形楕円型方程式
b(u)-diva(・,u、Du)=f in U
に対するDirichlet問題の再正規化解(renormalized solution)の存在について研究した。ここで、UはRNの非有界領域、bは(多価)単調増加関数、fはL1(U)の元である。