表題番号:1998A-021 日付:2002/02/25
研究課題組織犯罪・経済犯罪における個人帰責と集団帰責
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学部 教授 高橋 則夫
研究成果概要
 1998年度は、これまで研究してきた特別刑法判例、とくに、経済犯罪にかかわる重要判例を整理するという作業を行った。これは、後記した『特別刑法判例研究 第1巻』という形で結実した。また、法人処罰の形式である両罰規定について、所得税法違反の重要判例を素材に検討した。その際、両罰規定による処罰拡張の根拠と正犯・共犯の処罰根拠との差異を考察し、集団帰責の基礎的側面について検討を加えた。
1999年5月に行われる日本刑法学会の分科会「共犯論の総合的検討」において報告を担当することから、そのテーマを「共犯論と犯罪体系論」とし、共犯論の諸問題をたとえば因果関係論、構成要件論、違法論、責任論などから改めて考察した。
さらに、「刑法における集団帰責と個人帰責」を扱うドイツの文献が多く出てきているので、それらを収集し、検討した。また、オウム事件に関わる判例がいくつか出てきており、それらを集団帰責という観点から分析もした。