表題番号:1998A-010 日付:2002/02/25
研究課題ファジィグラフ理論の研究と応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学部 教授 山下 元
研究成果概要
 ファジィ理論は、人間の判断や評価などに関する「あいまいな」情報を分析し意思決定を行う理論で、近年、社会科学、人間科学などのソフトサイエンスの諸分野にも広く応用されるようになった。
 一般に、「あいまいな」情報の構造は、ファジィグラフを応用して解析される。このため、ファジィグラフの大域的な構造を抽出すること、ノードのファジネスとアークのファジネスを総合的に評定することなどが興味深いテーマとなる。
 この観点から、本課題では、①:ファジィグラフの近似表現法、②:ファジィシャプレイ値を応用したファジィノードの測定法、③:T―ノルムを応用したファジィノードファジィグラフのクリスプノードファジィグラフへの新しい変換法などを研究した。特に③は、T―ノルムを準論理積で計算する新しい変換法である。この結果、T―ノルムを論理積で計算した場合の構造と激烈積として計算した場合の構造の差異を連続的にシミュレーションすることが可能になった。
 また、その応用として、T―ノルムを準論理積で計算し、連続的に評定する新しいファジィソシオグラムの分析法をも考案することもできた。
 なお、成果の一部は、国際数学者会議、バイオメディカルファジィ学会、日本ファジィ学会、などの関連する学会に発表し、それぞれにかなりの評価を得た。