表題番号:1997B-033 日付:2002/02/25
研究課題大学所蔵鉱物標本データベースの構築と鉱物の微構造の生成機構に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学部 教授 山﨑 淳司
(連携研究者) 教育学部 教授 堤 貞夫
(連携研究者) 理工学部 教授 内田 悦生
研究成果概要
 本学には、1910年採鉱冶金学科創設以来集積された、多数の地学標本が所蔵・管理されている。これらは各箇所でそれぞれ教材や研究用試料として利用されているが、総合的な整理が未完である。特に鉱物標本に関しては、近年の校友からの寄贈や、未整理標本が所蔵されている箇所の再配置計画などがあり、早急な対応が必要である。筆者らは、1995年度より学内各関係箇所の管理標本の予備調査、国内機関の代表的な地学標本データベースの構成・利用状況の調査、各担当者との共同検討を進め、それらの結果をもとにパソコン上に基本データベースシステムを構築し、所蔵標本の入力とプログラム改良作業を行ってきた。本研究は、その継続として行ったものである。現在市販されているパソコンは10ギガバイト以上の本体記憶容量が標準的となり、本学所蔵の鉱物標本数の規模には画像記録を含めても十分な性能を持つ。そこで今後のデータ互換性も考慮し、Windows98版Visual dBASE5.5J上に基本データベースシステムを再構築し、大幅な改良を行った。本研究では、教育学部地球科学専修および理工学部環境資源工学科が管理する主要鉱物標本の約700点の登録が終了している。同時に、大部分の標本については再鑑定・再分類作業が行われた。また、本システム内に鉱物の熱的挙動に関する画像データを撮り込むために、デジタルミクロスコープを付設したその場観察用赤外試料過熱装置を設置した、これにより、数種の珪酸塩、硫酸塩鉱物について微構造の生成・転移・分解機構を動的に観察して記録出来、さらに教育実験に供せる環境を整備し、1998年度より専門実験科目で利用している。このデータベースは、現在のところ教育学部地学教室及び理工学部環境資源工学科岩石鉱物学実験室に設置された独立のパソコンで管理されている。今後、本部・大久保キャンパスの標本管理場所等の条件が整った時点で公開を考えている。