表題番号:1997A-554 日付:2002/02/25
研究課題中国における法人犯罪の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学部 助教授 宇野 和夫
研究成果概要
中国では1997年3月、18年ぶりに刑法の全面改正が行われ、新たに「単位犯罪」(法人犯罪)の項が設けられた。以前は個別法の中に法人犯罪に関する規定があったにすぎなかったが、今回正式に刑法典の中に法人犯罪に関する項が新設されたわけである。中国では改革・開放に伴い、企業・役所・軍隊など組織ぐるみの密輸や贈収賄・脱税などの経済犯罪が多発している。こうした現象は中国社会が「単位社会」であることと深く関わっており、この種の組織ぐるみ犯罪を減少させるには、中国独自の対応が必要であったのである。
 今回の研究では、まず中国において法人犯罪関連の文献資料の収集にあたった。そして資料整理の過程で、中国内で長期にわたって行われた法人犯罪をめぐる論争を整理し、また法人犯罪重視に至った背景の解明や代表的判例の分析などを行った。なお今回の研究成果は社団法人中国研究所の機関誌「中国研究月報」に発表する予定である。
研究成果の発表
99年3月 中国研究所『中国研究月報』「中国における法人犯罪問題」